2022/01/17

2018年5月26日時点の日経平均株価は、2月頭のVIXショックと呼ばれる大幅下落の後、調整を経て戻り高値を更新後、日柄調整か?という位置につけています。
さて、ここでVIXショック後の株価の推移が過去の2つのショックに似ているということで、簡単ですがどの程度似ているのか検証してみたいと思います。
sponsored link
VIXショック
”節分天井”を有言実行するかの如く、年明けからのお年玉ご祝儀上昇をあざ笑うかの如く、高値から4,000円近く下落しました。米債利回りの急騰も下落の原因でしたが、恐怖指数と呼ばれるVIX指数の急騰が下落の原因だったと言われています。
※VIXショック発生後の私の心境を備忘録として雑にまとめております。↓
5・23ショック
類似していると言われているショックの1つ目が2013年5月23日に発生した5・23ショック。パーナンキショックとも言われています。
黒田バズーカの流れを受けたアベノミクス相場真っ只中の時に、当時のFRB議長のバーナンキさんが量的緩和を縮小する可能性を示唆し、この発言をきっかけに世界的な流動性懸念が生じ、新興国から資金や株式が流出し、株式市場に大きな動揺を与えました。
チャイナショック
中国の個人投資家たちが一攫千金を夢見て中国株を買いまくって相場過熱への警戒感が出ている中、2015年8月11日に中国の中央銀行が人民元大幅切り下げに踏み切ってことで世界のマーケットへ大混乱を与え、世界の株式市場で同時に暴落が起こりました。
3つのショックを比較
では、3つのショック発生後、株価がどのように推移していったのかを比較してみたいと思います。結論から書きますと、下落後の調整の動きは全く一緒です笑。
まず5・23ショックですが、逆三尊形成後は(①)、コツコツ上昇し(②)、その後コツンと折れて下落に転じますが、ショック後に形成した底値を割ることなく年末にかけて上昇していきます。
下記の記事にもう少し詳しく書いていますので、お時間があればご覧ください。
下のチャートはVIXショックのものです。底値形成が逆三尊ではないですが、三回下がった後上昇し、ほぼ5・23ショックと同じ動きをしています。
さて、チャイナショックはどうでしょうか。チャイナショックの方がVIXショックと同じ動きをしているんですかね。底値の形成の仕方も、コツコツ上昇した期間も約2か月と同じです。
しかし、チャイナショックは他の2つのショックと違う点が2つあります。
一つは5日・25日・75日の移動平均線が収束している状態からの下落だったこと。つまり、高値圏でもみ合っている状態からの下落だったんですね。ほかの2つのショックは長く続いた上昇からの下落だったため、それぞれの移動平均線は離れており、株価もある程度のかい離率がありました。
もう一つの違いは200日線の位置です。VIXショックの方は200日線が底値形成時にサポートの役割をしていましたが、チャイナショックはサポートというより抵抗線として機能していました。5・23ショックは200日線に触ることなく反転しました。
そういったサポート線の有無が影響していうのか、チャイナショックが5.23ショックと違うのは、安値切り上げと思いきや”更なるイベント”が起こり、日経平均株価はチャイナショックの底値を切り下げ、2016年のブレグジットショックまでだらだらと200日線の下を推移しました。
まあ、”更なるイベント”というのが1.原油価格下落による中東の換金売り、2.中国の12月の製造業購買担当者指数がが市場予想を大きく下回ったことによる上海株の暴落、3.アメリカの金融緩和終了による利上げ開始、という強烈なトリプルパンチだったので、安値切り上げ失敗は致し方なしだとは思いますが。。
2018年6月以降の日本株の行方
3つの暴落の比較をまとめると下記になります。
- 暴落後の①底値形成、②コツコツ上昇は暴落後の定番の動き
- 5・23ショックは暴落前は上昇トレンドだった
- 5・23ショックは暴落後の底値を割らず、その後上昇へ
- チャイナショックは暴落前は高値で揉みあっていた
- チャイナショックは暴落後の底値を割り、その後下落へ
2017年の年末の日本株は、23,000円の壁を越えれずに揉みあっていました。そして年が明けて2018年は抵抗線を抜けて大幅上昇。しかし、そこからVIXショックということで200日線まで急落しました。
まるで、揉み合いから下落したチャイナショックと、上昇トレンドからいきなり下落した5・23ショックを合わせてような下落でした。
その複合版暴落を受けて日本株は現在、フェーズ②のコツコツ上昇を終えたところになります。つまり、今後着目すべき点は③底値を割ることなく反転できるかになります。予測せずに結果を受けて入れて行動したいですね。