2022/01/17

2018年2月5日週は世界の株式相場にとって久々の暴落と呼べる株価下落がやってきました。私自身冷静な取引ができなかったこともあり、反省・備忘録の意味を込めてブログにログを残しておきたいたいと思います。
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株価暴落
まずは何が起こったのかを整理します。
きっかけは米債券10年の利回りの上昇です。※チャートはInvesting.comさんより拝借。
見てわかる通り見事な右肩が上がりです。週足で見てみるとしっかり2017年1月と4月の高値をブレイクし、3%目前まで来ています。
<米債券10年 利回り 日足>
<米債券10年 利回り 週足>
この債権利回りの上昇により、企業の資金調達の負荷上昇→米株価下落→世界の株価連れ安という構図になりました。
なぜこんなに債権が売られているのかと言いますと、リーマンショック以降、アメリカの中央銀行であるFRBがお金を市場に供給するために米債券を買い入れしてきたのですが、景気回復が順調に進んできたことからFRBは去年の10月より、買ってきた資産の縮小に動いたのです。合わせて各国の中央銀行も債権保有額を徐々に減らしてきています。
更に市場と会話しながら徐々に金利を上げてきた前FRB議長のイエレンさんが退任されたことで、利上げ速度拡大の思惑がでてきたことや、大型減税のための米国債増発、インフレ懸念等、様々な理由が金利上昇圧力につながりました。
この低金利の中、経済が順調に拡大してきたため、株式にとっては最高の環境だったのが「2017年」だったのでしょう。この「適温相場」に終わりが来る!という警戒より、下図のような株安が発生しました。
短期の目線でみれば大幅下落ですが、長い目で見れば「正常に戻すための調整」なのでしょう。
NYダウは直近高値から約2,400ドルの下落、日経225は約2,700円の下落、率で表すとそれぞれ高値から約9%、約11%の下落でした。
2017年は日本株はフランス大統領選挙や北朝鮮地政学リスクで2度ほど下落しましたが、NYダウは大きな調整もなく上昇してきたので、市場はショックを隠せなかったようです。1,000円以上の下落を1週間で2回もしたわけですからね。。
正直当分乱高下が続くと予想されており、2018年は2017年のような上昇ではなく、チャイナショックを引きづって乱高下が続いた2016年前半のような動きになるのではないのでしょうか。
暴落時にやってはいけないこと
さて、まずは私がこの暴落時どのような行動をとったかとをメモしておきます。。
- 日本短期 → 月曜前場で損切り
- 日本長期 → 月曜前場で一部利確、火曜日朝に一部狼狽売り、水曜日朝に機会損失を嫌がって少し買い
- 米国長期 → 火曜日寄り付きに少しナンピン
- 海外ETF → 火曜日寄り付きに少し売り、少しナンピン
という、日本株については暴落時にやってはいけない狼狽売り・機会損失嫌い買いをやりました!
頭ではわかっていても、実際にそのシーンが訪れると正しく行動できないんですよね。人間って難しい。
ただ、今回は2個目のやってはいけない「空売り」はやらずに済みました。この下落した状態からヘッジの空売りをしても反発して損失になってしまうことは目に見えていますし、トランプショックで経験しましたので。。
理想の対処法
では、こういう大幅株安を被った時はどのように対処すればよかったのでしょうか。
窓
最も理想的なことは「下落の予兆」で売ることだと思います。
節目や移動平均線、抵抗線や支持線が突破されるとき、元の株価に戻らず、新しい相場を作っていくと考えるのが一般的ですが、「窓」を開けて相場が始まった時は大きな買いエネルギーが一気にトレンドを変えようとしていることを示しています。
「窓は埋めるもの」という格言がある通り(ほんとに?)、通常は回帰の法則に則って窓埋めという現象が起こるのですが、窓埋めができなかった場合は、トレンド転換ほぼ完成です。
下図はNYダウですのチャートですが、5日線をわったときに窓を付けました。後2日は窓埋めしようという動きがみえますが5日線に頭を支えられ、市場は「窓埋めできず」と判断し、25日線も割って終了しました。
よって、ちゃんとルール通りトレードしている人は①窓を開けて5日線を割った時、②大陰線で25日線を割った時に徹底できたはずです。そこで現金比率を高められたら最高でした。底を売ったタイミングで買うことができれば大きな利益につながりますしね。
ただ、これは短期のトレードなら実現できるが、中長期のポジションでは話が違ってきます。たかが短期の移動平均線を割ったくらいでポジション解消するのは厳しいですよ。。
個人買い
外国人売りに転じたとき、よく個人が買いに転じます。これを下落のサインと見ている人も多くいます。
実際、1月第5週の売買動向を見ていると、海外は4週連続売り越し、個人・投信は2週連続買い越し、日本の信託は3週連続買い越しでした。11月の下落も外国人が売りに転じていましたよね。
信用
信用取引の信用ではないです。投資先を投資家である自分が信用しているかどうかです。将来株価が上がることを信じれるならこの暴落でも損切りせずに保有していれば問題ありません。
こういう暴落は業績不振や不祥事といった投資先の原因での下落ではなく市場全体にあるので、極論を言えば「巻き込み事故」のようなものです。修理代が後に全額返ってくるのであれば、保有していないと損ですよね。
むしろこういう暴落こそ買いチャンスになります。長期投資はこういう暴落でしか買わないというルールを設けてもいいぐらいですね。てか、そういうルールにしよう、そうしよう笑。
ちなみに私は長期投資としては、投資信託、外国株ETF、日本個別株、米国個別株の4つを行っていますが、投資信託については下記のとおり、(ETFも実質同じ理由)
日本個別株、米国個別株は下記のとおりに考え、
将来的には上昇するだろうと信じて投資しています。つまり、信じているものは人口、時間や分散、そして未来の産業になりますね。
タマキン理論
Twitterで拾った話なので詳細はTwitterで調べていただきたいのですが、タマキンが何なのかは伏せて置き、結論としましては「500円から上昇した1,000円と3,000円から下落した1,000円とでは意味が違う」です。
後者の1,000円には3,000円に戻る力がある、ということです。私はよく買値付近まで株価が下がるとそこで手放してしまうのですが(てか今回もやった)、そこでは売らなくてもいいんだよ!という名言になります。
私はこの名言を見る前にキーエンスを手放し、この名言を見た後グーグルを手放さずにすみました。ありがとうございます。
いつ買えばいいの?
上で書いていたことをまとめますと短期はいつものトレードルールで売り、長期はチャンスと捉えて買え!になりますが、じゃあいつ買えばいいの?という話ですが、ご存じ二番底かと思います。
落ちるナイフは拾えないので、安値を切り上げるまで待つしかないですね。ただ、このルールは通常相場のトレンド転換時のルールであって、このような暴落時にも有効なのかは分かりません。
よって、次回のブログ更新時には過去の暴落(5・23やチャイナショック、ブレグジット、トランプショック)を振り返り、暴落後いつ買えばよいかを考えたいと思います。
<※関連記事>
※「日経平均PER 日経平均比較チャート」より拝借したチャートを拝見すると、明らかに異常な下げと思ってしまいますよね。。EPSと逆相関でPER14倍以下って。。買って気絶してたら良い気もしますが果たして。。