2021/02/23

本日12月1日、米中首脳会談が無事終了しました。
波乱なく終了してほっとしておりますが、今のうちに今後の見通しを少しだけ整理しておきたいと思います。
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米中首脳会談
12月1日の米中首脳会談の大きな結論としては、「追加の関税制裁がひとまず猶予された」でした。
当初、関税制裁第3弾で発表された約2,000億ドル分の輸入に対する関税を、19年以降に10%から25%に上げるという報道でしたが、それが90日間猶予されるということでした。ようやく制裁発動が一旦中断する運びとなりました。
この猶予代わり、トランプ政権は技術移転の強要や知的財産への侵害、サイバー攻撃等について攻撃することとなります。
しかし、中国の国策である「中国製造2025」による補助金については本会談で言及することができず、米中貿易戦争はあくまで「一時休戦」というステータスに留まっています。
来週以降の日本株の動き
本日の首脳会談の結果を受けて、月曜日の日本株はとりあえず上昇して始まるのではないのでしょうか。
75日線と200日線が横向きのため長期的にはレンジ相場であるという視点に変わりはありませんが、月曜日が上昇して11月上旬の高値を超えて終わることができればダウ理論的には上昇に転じたと言えそうです。MACDもいい感じですし。
また、明日は本日の首脳会談を控えて、買いポジの縮小or売りポジ持ちに切り替えた人たちの買戻しも期待できそうです。(トランプさんってイベント当日は静かですよね笑)。
200日線の上に出ることができれば、待ちに待った年末相場の登場かもしれません。
少し恐いのは週足チャートです。
移動平均線だけを見るといい感じに押しているように見えますが、MACD的にまだ調整が足りないように見れます。10月頭からの下落幅が大きいからかもしれませんが、楽観視はしたくないところです。
恐いのは『中国製造2025』を止める策がないこと
- 2030年新エネルギー車の販売台数1,900万台
- 2025年半導体の内製化比率70%
- 2025年国産ロボットの国内シェア70%以上
国家主導の大規模補助金という後ろ盾をもって野心的な目標を掲げて突き進む中国を、今回の米中首脳会談では止めることができませんでした。中国は人件費の高騰により、もはや世界の工場ではなく、
①関税措置、②サイバーセキュリティの強化、③投資・輸出管理の強化で野心的な中国に対抗しているトランプ政権ですが、この補助金の停止はできておりません。
ここの解決の目途が具体的に立たない限り、安心してハイテクへの投資はできないと思っています。
例えば、半導体です。
ZTEへの米国企業との取引禁止制裁、マイクロンテクノロジーへの販売差し止め、JHICCへの製品輸出を制限等、国が特定企業を直接つぶしにかかるケースが増えてきています。
いきなり輸出・販売を制限されるなどギャンブルでしかありません。最近は製造する自動車に使用する半導体の70%を中国産のものにしなさい、という通達が下されるという噂もでているようです。ますますギャンブル間が出てきています。
「産業のコメ」と言われている半導体ですが、中国が無理やり半導体を製造するようになれば、供給過剰で一気にサイクル終焉なんてことにもなりかねません。
半導体以外にも、自動車や産業ロボットも同様です。
ただ、これからは半導体と違って市場拡大余地が大きいです。コモディティ化する可能性も低いですしね。