2022/01/17

私が経済自由人になりたい理由は、会社に縛られることなく自由に働きたいからです。
せっかくの人生、会社に縛られずに生きたいんです。もし給料以外に収入があれば減給/評価/クビ等を気にしなくてよくなり、周囲の目を気にすることなく自分の好きなように仕事ができるはずです。
そんな妄想を夢見て経済的自由を得るために頑張っているのですが、最近これ以外にも手段があるのでは?とぼんやりと思えてきていました。
そしてこの本と出会い、私の頭にあった考えは確信に変わりました。
経済的自由がなくても、会社に縛られずに自由に仕事をすることができるのです。
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Contents
どんな本
著者は北野唯我さん。博報堂やボストンコンサルティンググループといった企業でキャリアを積んだ後、ハイキャリアの方々を対象にした人材ポータルサイトを運営するワンキャリアに参画。
本書は、今どきの一般的な人生のレールの上を歩いてきて、なんとなく今の会社に不満がありつつも、転職する勇気も理由もない30歳会社員に、カリスマコンサルタントが転職の思考法をレクチャーしていくというストーリー仕立ての構成となっています。
現代に見合った転職に関する考え方を学べるだけでなく、池井戸潤さん並み?の展開のあるストーリーのため、小説としても読み応えのある本となっています。
仕事を楽しむための条件
著者は”一般的”な人間が仕事を楽しむためには、下記の2つの状態になっていることが必須だと述べています。
- 自分の状態:自分の強さは適切か、自分を信頼できるか、
- 環境の状態:緊張と緩和のバランスは心地よい状態か
自分の強さとは
”自分の強さ”とは、下記のことを意味しています。
- マーケットバリューがある程度あること
- 求められるパフォーマンスとマーケットバリューがある程度釣り合っていること
マーケットバリューとは簡単に言ってしまえば、所属する会社以外でも活躍できる能力や経験があるかどうかです。
自分にある程度の能力があって、かつ、自分の能力や経験を必要としてくれている会社で働けるほど幸せなことはないですよね。
自分への信頼
自分への信頼とは自分に嘘をつかないことです。自分自信を信頼できていないと、その仕事は楽しむことができません。
例えば、価値のない製品やサービスを売るために自分を殺して嘘を並べて得意先にプレゼンしているとか。自分がやりたいのはプランAなのに、上司や他の部署の意見を尊重しづぎるあまりに協案としてプランBが採用されたとか。
嘘をついたり自分の意向に反することをする場合、どうしても後ろめたさや後悔が残ってしまうため、心の底から”楽しんで”仕事をすることが難しくなってしまいます。
力を存分に発揮するための前提として、悔いがない選択をすることが必要と私は考えています。自分が本当にやりたいことをしている時が楽しいに決まっています。
緊張と緩和のバランス
そして、「仕事が楽しい」と思えるためには、自分要因以外に「環境」も重要と筆者は述べています。
仕事が楽しいと思える環境とはどんな環境なのでしょうか。それは、緊張と緩和のバランスが保たれている環境です。
忙しすぎず暇すぎず、適度に刺激と休みのある環境が、やる気を促し、飽きず疲弊もしない心地よい状態にします。極端に暇すぎ忙しすぎもよくないです。そんな職場は左遷候補かブラックですからね。
過去を振り返ると思い当たる節があると思います。例えば学生時代のテスト勉強。毎月定期テストがあったらやってられないですが、3カ月に一回ぐらいの頻度でテストがあるので、なぜか頑張っちゃいます。そして、テストが終わったらまた部活なりゲームなり遊びに励む。
大学生なんか極端ですよね。年2回のテストで単位を取るために猛勉強し、終われば約2カ月の自由時間が待っています(大学生活は人生の夏休み)。
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ちなみに、上記のお話はあくまで”一般的”な人を対象にしたお話です。私ももちろん一般の分類に入っています。悲観しかけそうになりましたが、理由を聞くと案外そうでもありません。
一般的とそうでない人との違いは何でしょうか。それは”目的”に重きを置いていどうかです。
著者は一般的ではない1%の人間は、「何をするのか」に重きを置いていると述べています。明確な夢や目標を掲げて、それにコミットし続ける人たちです。
私がぱっと思い浮かんだのは、ベゾスとかイーロンマスクとかホリエモンとかZOZOの前澤さんとか。仕事が楽しい楽しくないとかの次元ではなく、生活と仕事の区別すらないような 人たちです。
ちょっときつい言い方をすれば、目標達成のためには手段を選ばない人たちでもあります。この人たちからしたら、私たちの悩みなど米粒以下で、もしこの人たちに相談できたとしても「仕事が楽しくない?だったら自分がやりたことやればいいじゃん」とか言われて突き放されるのがオチでしょう(笑)。
では残りの99%の人は何に重きを置いているかと言いますと、著者は「どんな人間でありたいか、どんな状態でありたいか」に重きを置いていると述べています。だから、仕事を 楽しめる条件として、”状態”を定めているのですね。
著者は「心の底からやりたいことって実はあまりない」と述べています。思わず「たしかにー」と口に出してしまいました。そんなにやりたいことがあるのであれば、既に取り組んでいるはずですもんね。ちなみに私の小学生の卒論に書かれてあった夢は「安定したサラリーマン」でした(笑)。
なぜ会社にしがみついてまで仕事をしていまうのか
でもサラリーマンみんながみんな、上記のような状態で仕事を楽しんでいるかというとそうでもありません。
ほとんどのサラリーマンは会社に忠誠を尽くして仕事に励みます。毎日満員電車に揺られながら、汗水流して働きます。もちろん私もその一人です。
日本は戦後復興、経済成長を実現するために年功序列・終身雇用の制度を確立し、給料も右肩が上がりで推移するような設計を行い、忠誠心の高いサラリーマンを生み出しました。
しかし、この取り組みが大きなギャップを生み、サラリーマンに大きな問題をあとから突き付けている、と著者は述べています。
マーケットバリューと給料のギャップを、この国では40代後半になるまで誰も教えてくれない
右肩上がりの経済成長が終わった現代の日本において、誰しもが退職するまで給料も右肩上がりで上がることなど夢物語でしかありません。
年功序列・終身雇用・右肩上がりの昇給という、会社に忠誠を尽くすための前提条件が崩壊しているにも関わらず、会社はそのことを従業員に知らせません。そして、所属する会社だけで活躍できる能力を身につけさせ、40代後半で市場とのギャップを突きつけるのです。
この現実、そして自分の置かれた状況を認識した人間が取る行動は、会社に”しがみつく”以外ありません。転職活動したところで、今の給料水準で雇ってくれる会社などあるはずないからです。マーケットが求めるニーズを満たせていないからです。
そうなるともう負の連鎖の始まりです。会社の業績に貢献するとうサラリーマンの本来の目的が薄れ、いつのまにか”しがみつく”ことが目的となり、合理的ではない行動や自分を殺して仕事をするようになってしまいます。
こんな状況で「仕事楽しい!」といえる人はそうそういないのではないでしょうか。
会社に縛られることなく自由に働くために
この”しがらみ”から抜け出すためにはどうすればよいのでしょうか。
著者は下記のように確信しています。
働く人が「いつでも転職できる」という交渉のカードを持てば、結果、今の職場も絶対によくなる
他者への内定を持つ必要がある、という意味ではありません。「私はいつでも転職できるんだ」という自信があればよいということです。
命綱が勤めている会社だけだからその会社の命令に絶対従わなくてはいけないという発想になるだけで、命綱が他にもあるのであれば、すなわち「転職できる」という選択肢を持っているのであれば、対等な立場で相手と接することができるようになります。そうすれば自分が考える本当に正しいと思うことをできるようになるはずです。
では「転職できる」という交渉カードを持つためには何をすればよいでしょうか。
まずは自分を知り、そして今の職場で履歴書にかけるような、採用面接で語れるような経験を積むことが重要と考えます。
- 自分のスキルや経験の棚卸を行い、強みを把握する
- マーケットに目を向け、求めれれていることを把握する
- 社外でも通用する、活きるような仕事を選び、鍛える
社外からの視点を持った状態で仕事をするだけでも、仕事の質に影響を与えるかもしれません。
そして、意識して取り組むかどうかでも、身につくスキルや経験の質は変わってくると思います。
「いつでも転職できる」という経済的自由を得るためにこれからも自己研磨に務めたいと思います。
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振り返ると、「転職」というカードが目の前にチラついてから、ストレスフリーで仕事ができるようになったなとこの本を読みながら思いました。
幸運なことにヘッドハンティングからお声かけをしてもらったり、社外の勉強会のリーダーになったり講演の依頼を受けたり、得意先から採用のお誘いを受けるようになったあたりから、いつのまにか自分の言いたいこを言うようになり、仕事も「これは自分のキャリアに影響を与えるか」という視点を持って選ぶようになりました(よくないですね笑)。
この感覚を現実に落とし込むために、日々頑張りたいと思います。
転職サイトに登録してみようかな。