2022/01/17

自己投資の一環として森岡さんの『確率思考の戦略論』を学ぼうとしているのですが、会社の先輩よりこの本はかなり難解ということを聞き、この本を読む前に森岡さんが書いた2冊の本『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』を読みました。
てっきりUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)やマーケティング中心の内容かと思っていたのですが、特に『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』では生きる上で大変重要な「戦略的思考」についても熱く書いてあり、居ても立っても居られずこの場で紹介させていただこと思いました。
USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門
確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力
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Contents
マーケター:森岡毅さんについて
元USJのCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)だった森岡さんが一躍有名になった出来事はやはりハリーポッターの世界感をUSJに導入したことですよね。経営危機に陥っていたUSJに2010年にヘッドハンティングされて転職するやいなや、三段ロケット構想を掲げ(ハリーポッターエリアの導入は、関西依存の集客からの脱却を目的として2段階目のロケット)、見事に業績をV字回復させました。ハリーポッターエリアのオープン直前ぐらいにはNHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも取り上げられていました。恥ずかしながら私はこの番組を視聴して森岡さんの存在を知ったミーハーの一人です。。
森岡さんの前職は世界最高峰のマーケティング会社であるP&Gです。入社5年目に既にブランドマネージャーに昇格し(P&Gのブランドマネージャーは1ブランドの売上・利益の責任を負う、そのブランドの社長のような役割です)、その後は米国本社に赴任して北米パンテーンのブランドマネージャーを経験したり、P&Gが買収した会社の副代表を務めるなど、在籍した14年間でとてもつない実績を残してきたスーパー・マーケターです。
そんな森岡さんが他のマーケターと違うところは「数学が大好きなところ」です。幼い頃から色々やんちゃしていた少年だったようですが数学だけは真面目に勉強していたようで、森岡さんの武器は高度な数学・統計学を駆使した調査・需要予測です。どのくらい高度かは『確率思考の戦略論』に書いてあります(私はまだ読んでいません)。私が読んだ2冊の本の中には数学について触れらてはいませんが、具体例としては「公表されていない東京ディズニーランドの単月の来場客数」は周辺データを駆使して予測できちゃうようです。私も早く学びたい!
そんな数学を駆使しまくる森岡さんがロジカルでない理由がありません。森岡さんは戦略的思考能力をマーケターとして、ビジネスマンとして、そして生きる上でとても重要な能力だと提言しています。
戦略的思考能力
森岡さんは戦略的思考ができることで下記の2つの変化が起こるため、身に着けることでキャリアが大きく好転すると言っています。
- 仕事の成果が抜群に上がる
- 説得力が激増する
なぜかと言いますと、、、と、その前にまずは「戦略」について説明します。
戦略とは
説明なんて恐れ多いのですね。引用します。
戦略の定義:戦略とは、目的を達成するために資源(リソース)を配分する「選択」のこと
噛み砕くと下記になります。
戦略の定義:何か達成したい目的を叶えるために、自分の持っている様々な資源を、何に集中するのか選ぶこと
つまり、戦略とは「選ぶこと」なんですね。なぜなら目的を達成するためのリソースは常に限りがあるからです。二兎追うものは一兎も得ずです。
資源とは自分のスキルや保有しているもの、時間もそうです。会社に置き換えて考えると人やお金、設備、情報等になります。
目的が決まっていないのであれば戦略はそもそもいりませんし、人間は欲深き生き物であるがゆえに目的は常に高くて大きい身の丈以上のものが設定されるので、それを達成するためのリソースが十分足りているということはまずないでしょう。そんな世の中であれば「残業!忙しい!ブラック!!」と騒がれないですよね。なので、選ぶことで資源の不足をカバーするのです。
戦略の話になると、よく歴史の例え話がでてきます。森岡さんもよく歴史で例えてくれています。有名な話でいくと織田信長が少人数で今川義元を破った話とかですかね。人数というリソースに限りがあった織田軍は桶狭間という場所を「選び」、今川軍が休んでいる時間を「選び」、見事勝利を収めました。織田群は限られた戦力をどこでいつ使うかを選んだのです。
戦略的思考とは
目的を達成するためには戦略が必要不可欠ということが分かったとことで次は「戦略的思考って何?」という話ですね。これも恐れ多いので引用します。
戦略的に考えられということは、「目的→戦略→戦術」の順番で、大きいところから考えられるようになるということです
「戦術」とは戦略を達成するための「手段」です。例えば夏休みを例に考えてみますと、目的は「家族全員で夏休みを満喫する」とすると、戦略は「予算25万で夏休み感を味わえて、家族全員が好きなプールに入れるところに旅行する」とした場合、戦術は「25万以内で2泊できるプール付きのリゾートホテルを予約する」となります。
なぜ目的か順に考えのがよいかというと、目的に合わせてリソースを選ぶため、大事なことに集中できるようになります。そして、無駄なことをやらなくなるため、時間を効率的に使えるようになります。また、戦略的あることは論理的でもあることなので、戦略的に話すことで周囲が納得しやすくなります。そして、正しい方向に向けて周囲の人を動かせるようにもなるため、大きい仕事もできるようになります。つまり、最初に掲げた下記の2つの変化が起こるようになります。
- 仕事の成果が抜群に上がる
- 説得力が激増する
何かを考える時、人は具体的で身近でもある戦術から考えてしまいがちですが、考える順番を変えるだけでこんなにもメリットがあるなんて戦略的思考って素晴らしいですよね!
戦略的思考はどういう場面で使える?
戦略的に思考できるようになるということは、仕事だけでなく、仕事以外の場面でも応用がききます。私も感じている身近な例を3つばかし書きたいと思います。
「忙しい」と言わなくなる
一番はこれだと思います。よく「忙しい、忙しい」と言っている同僚の方いませんか?笑。
忙しいと常に言っている人はたしかに仕事量が多いのだと思います。優秀な人にはこそ重要な仕事を任せたいですもんね。ただ、そもそも仕事ができる人は「忙しい」などとは言わないですし、毎日遅くまで残って仕事もしていません。プライベートも充実している人が多いです。
では、毎日残業続きの人との違いは何なのでしょうか。私は「仕事を選べていない」だけだと思っています。その依頼は部署の目的にあっているのでしょうか?その日のうちにやる必要があるのでしょうか?そもそも自分がやる必要があるのでしょうか?
重要度と緊急度を考慮してやるべき仕事を選ぶだけでも、自分の時間は作れるようになると思っています。「わかりました!」と言ってその仕事をやらないのも有りだと思いいます笑。忙しいと言わない人はさぼるのも上手いと思います。
走りまくっているサッカー日本代表の長友選手も、歩くときは歩くのです。
悩まなくなる
「あー、どうしよう」と悩んでしまうときもあります、人間ですもの。しかし、実は悩んでいる場合はたいてい自分がコントロールできない範囲のことについて考えていることが多いです。「~ちゃんに悪いことしちゃったな。あした会うの憂鬱だな」とか。でも、悩んでいても何も解決しないのです。
でしたら、今の悩み(=解決したいこと、目的)をまず明確にし、その課題を解決するために自分ができること/できないことを整理し、自分だできることだけ行い、あとは神に祈ればいいのです。自分でコントロールできないことをコントロールしたら神になっちゃいます笑。
~ちゃんに悪いことしちゃったなら、謝るために(戦略)、誤りのメールを入れ(戦術)、それでも~ちゃんが怒っているなら、~ちゃんのご機嫌を取るために(目的)、~ちゃんの好きなもの調査し(戦略)、それを買って渡せばいいのです(戦術)。それでもだめなら、実行したプランを反省し、次の戦略を立てればいいのです。~ちゃん強い。
報われる確率が高い努力ができるようになる
例えば大学受験です。希望する大学合格に向けて勉強するとき、今の自分の成績、性格、生活環境を考慮した上で勉強計画を立てて勉強しないと成績は伸びないですよね。
たとえば、センター試験で8割取れる学力がないのに二次試験対策をしていたり、飽きっぽい性格なのに同じ場所でずっと勉強していたり。。自分という資源を知ることで、自分にあった勉強計画を立てて(戦略)、勉強することで(戦術)、合格する確率が高まります(目的)。
戦略的に生きる際の注意点
戦略的思考をもって生活することで有意義な人生を送れるようになるとは思いますが、注意点もあるはずです。ここで何点かピックアップしてみたいと思います。あくまで個人的な見解ですが。。
メンドクサイやつになる
プライベートで友人と飲んでいるときに、戦略的思考が身についていると、つまり論理的思考能力が身についていると、何気ない友人の会話に突っ込みをしてしまいます。
「その失敗談って戦略がなかったからじゃね?」とか、「その目的って曖昧じゃね?」とか。
戦略的に戦略的思考を使わないようにするも重要なのですね。
つまらない人生になる
こちらもプライベートの場面。特に男性に多いと思うのですが、旅行するときは戦略的にしないようにしましょう。戦略的に旅行をすると驚きが無くなってしまいます。アドレナリンがでなくなります。
旅行先について、宿から食事まであれこれ全て調べていたら、調べているだけで満足しちゃいますよね。
目的は見失わないこと
最後に、大事なことはこれだと思います。
戦術の部分を頑張っていたら、いつのまにか目的が変わっていた。。そんなことがよくあります。例えば、
- 学校で先生が書いた板書をノートに写していたら、ノートに写すことが目的になっていて授業の内容を理解できていなかった
- 仕事に生かすために読書をしていたら、ページを進めることが目的になっていて内容を理解できていなかった
- お客様を喜ばせるために新しい味のラーメンを研究していたら、いつのまにか自分が美味しいと思うラーメンを作っていた
- クライアントに提案するプレゼン資料を作っていたら、いつのまにか上司のチェックをかわすための資料を作っていた
人間は忘れやすい生き物だと思います。集中しているがために、最初に立てた目的を忘れちゃうことがよくあります。
戦略的に生きるためには、目的から考えなくてはいけないのですから、その目的を忘れないような工夫も必要となってきます。
効率的に効果的に生きる方法を教えてくれた森岡さんの本は本当におすすめです。
USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門
確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力